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「鳳仙装」という真っ赤な中国の民族服を身にまとい、手には傘と羽扇を持ち、頭に面をつけた格好の十数人がゆっくりと右へ左へ動きながら足を前に進める。子供の格好をした人が行列の中を縫うように歩く。老婆が手に杖を持ち、肩には雨傘を担いで道をくねくねと歩く。これがかの有名な麻豆・保安宮の「十二婆姐陣」。子供の悪い「気」を祓って魂を鎮める「収驚」という民間療法を行うお祓いの行列で、いまとなっては台湾で現存するめずらしい「陣頭」(武技と宗教が結実した民芸の結晶)の一つです。 麻豆南勢里にある保安宮の「十二婆姉陣」は 宗教色の濃い「陣頭」で、この「陣頭」を指揮する郭老得さんの話では、すでに100~200年もの古い歴史があるといいます。普通の臨水夫人廟では最も位の高い陳靖姑が奉られているほか、二番手の林紗娘や三番手の李三娘も奉られているとか。台南の臨水夫人廟では「三十六婆姉」もともに安置されているようです。
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麻豆
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臨水夫人に仕える三十六婆姉は、「三十六保母」や「三十六延女」とも呼ばれ、陳靖姑が出産を見守ったり子供の世話をしたりするのをそばにいて助けるのが役目だった。彼女たちには位がつけられており、上から順に、陳大娘、黃鑾娘、方四娘、柳蟬娘、陸九娘、宋愛娘、林珠娘、李枝娘、楊瑞娘、董仙娘、何鶯娘、彭英娘、羅玉娘、吳月娘、鄭桂娘、張春娘、王七娘、倪鳳娘、包雲娘、孫大娘、趙娥娘、周五娘、程二娘、葉柳娘、鐵春娘、雲燕娘、聶六娘、劉嬌娘、翁金娘、潘翠娘、凌豔娘、鄧三娘、朱巧娘、金秀娘、樹梅娘、胡大娘という配列になっていました。言い伝えによれば、この36名はもともと妖怪でしたが、陳靖姑に今後一切邪悪なことをしないと誓いを立て、それから陳靖姑の手伝いをするようになったといいます。この女たちは厄払いをする不思議な力を持っていたため人々から崇められ、これがきっかけとなって「十二婆姉陣」が誕生したのです。
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その起源は三十六婆姉に遡る十二婆姉陣ですが、人数が多すぎて陣を組みにくかったことから、位の高い12名だけを起用し、いまの「十二婆姉陣」ができあがりました。この陣頭は十二婆姉に扮した12名のほかに、「婆姉母」という白髪頭で杖をつき腰をかがめて歩く老婆も後ろからついて歩きます。このほか、「婆姉子」に扮した子供が行進部隊の中をちょろちょろと駆け抜ける姿も見かけられます。この子は三番目に位の高い方四娘の息子で、方四娘は一度結婚に失敗したものの、しばらくしてこの子を里に置いたまま再婚してしまいました。いなくなった母親をあちこち探し回る孫を不憫に思った祖母が、こうして風呂敷包みを片手に後ろからついて歩くようになったといいます。
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