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闘牛陣は農村から始まりました。牛は一般に籐や竹で骨組みを作り、牛皮に似たベルベットの布で覆ったもので、土褐色の体に頭と尾がついています。闘牛向きの牛は黄牛であるため、一般的には黄牛がほとんどです。牛は作り物ですが人はもちろん違います。実際には全て人間が作りものの牛を被って闘うのです。現在では牧童役の若者が減りほとんど年寄りが演じるか、牛の飼い主がその代わりを務めています。闘牛陣は牛2匹(4人)、牧童2人、銅鑼係3人、そして運転手1人の計10人から構成されます。
闘牛陣には脚本はなくほぼ即興で演じられます。人と人、牛と牛、人と牛の間に暗黙の了解があってこそ、精彩な演技で観客の盛大な拍手を受けることできるのです。演出の内容も場によって異なります。例えば寺の祭りなどでは二人の牛飼いが田畑から家に戻る途中で祭りの出し物見ている場面です。牛飼いが連れる二匹の牛が群衆の中で戸惑いながら闘い、二人の牛飼いも「闘牛」を止めるどころか加勢してしまい大混乱を招くというものです。お祝いの場では雄牛と雌牛が登場します。雌牛の牛飼いが自分の牛が雄牛に「いじめられる」ことに辛抱できず雄牛の牛飼いと口論からケンカとなり、人と牛が入り混じった闘いになるというものです。おもしろいのは牛飼いがもみあっている時、二匹の牛はその傍らですでに仲良く夫婦となっているというところです。
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闘牛陣は臨場感を持たせるために人も牛も全身全霊で演じています。牛の獣性を表現し、人間も理性を失ったように藤の枝や拳骨で攻撃し、地面にひっくり返ったりそばの椅子や箱などを手当たり次第つかんで武器にしたりすることもあります。靴は脱げ笠も壊れるという有様で、闘牛陣の「闘い」で満身創痍になった役者も少なくありません。また演技中にそばの観客に是非の判別を求めたりするのを見ているうちに、観客は演技なのか本当なのかわからなくなってくるのです。
台南県内の闘牛陣はほとんどが六甲、柳営一帯に集中しています。東山、官田、善化、関廟と西港に点在し、台湾で闘牛陣が最も多い県となっています。世凰闘牛陣のほか、六甲の泰山民俗技芸団には十種類の“陣頭”(仏教の行事でパレードをする行列の先頭のこと)があり、闘牛陣はその中でも有名な陣頭の一つです。また大湾清濟宮の「大湾牛」も40年余りの歴史を誇ります。
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