「Friendship Box 友誼交享閱計画（友好交換図書計画）」は今年（2018年）台南市政府と台南市塩埕図書館が共同で行っているイベントで、書籍や文物の展示に講座を組み合わせ、台南と友好都市協定などを締結している世界中の各都市を紹介するものです。8月には群馬県と水上市、9月には滋賀県と大津市をそれぞれ紹介し好評を博しましたが、11月には仙台市の特別展を行い、11月17日に開催された仙台紹介講座には、多くの市民が訪れました。
台南市では今回の仙台特別展で市民の仙台への理解を深めるため、仙台市役所に協力を仰ぎ、仙台市に関する書籍や文物を展示用に借り受けました。仙台といえば七夕祭りが有名ですが、展示会場でも特別に当地の伝統的な笹飾りを再現して飾りました。また400年の歴史を持ち日本の重要無形文化財に指定されている絹織物「仙台平」も展示、仙台出身で平昌オリンピック金メダリストの羽生結弦選手が国民栄誉賞の授賞式に出席した際に着用していた袴も、この仙台平のものです。
11月17日午前の講座は、台南と仙台の交流に尽力されている松本尚美さんの講演でした。松本さんはNPO団体「仙台湾隊」の代表、「宮城県日台親善協会」の連絡人、そして「仙台南本」の著者でもあります。この本は日本語で台南を、中国語で仙台をそれぞれ紹介し、仙台と台南の交流促進に役立っています。今回の講演は「魅力あふれる仙台市と台南の共通点」と題し、松本さんは仙台の四季の風景やグルメ、伝統文化、青葉城の城主伊達政宗などを紹介。聴衆は仙台の街角にいるかのような気持ちで、仙台の魅力を満喫しました。講演終了後の質疑応答では、聴衆から仙台の観光地、アクセス情報のほか、仙台出身の漫画家荒木飛呂彦氏の作品「聖地巡礼」などについて質問が飛び交い、会場は大いに盛り上がりました。
仙台市は東北地方最大の都市で、1600年に「独眼竜」の名で知られる戦国時代の名将伊達政宗が城を築いたのち、今日まで発展し続けてきました。杜の都と呼ばれるように四季折々の景色が美しく、また牛タン、枝豆などの美食もあり、一年中観光客で賑わっています。台南と仙台は、双方ともに七夕祭りが有名であることから交流が始まり、2006年1月に交流促進協定を締結しました。以来12年間、オフィシャル、民間ともに文化、芸術、観光、スポーツなどあらゆる分野で交流を続け、名実ともに友好都市となっています。