台南市と台湾人工知能実験室(AI Labs)は、2月22日午後、台南の安平古堡において、前行政院長頼清德氏立会いのもと、スマートシティ協定意向書に署名しました。黄偉哲市長は、台南をドローン空撮とAI技術を応用した世界初のスマートシティとし、台湾産業の実力を世界に知らしめるとともに、台湾スマートシティの新たなマイルストーンとなることを目指すと述べました。
黄市長はまず頼前行政院長に、台南市長及び行政院長任期中の長年にわたる台南市への支持に感謝の意を伝えました。その後、同氏の立会いのもと、協定意向書に署名しました。この協定の主要な目的は、古都台南に新たな風を吹き込むこと、ドローン空撮とAIを組み合わせ、Googleストリートビューの平面的な視野を超える立体的な視野のストリートビューを作り出すことにあります。
黄市長はまた、今回の台南の安平を皮切りに、立体的でより高度な視野で台南について理解できるシステムを構築し、警務、農業、交通、観光などあらゆる分野への応用を目指すとしています。また、これは始まりにすぎず、今後AIやドローン技術の向上に従い、システムの応用範囲も大きく広がることが期待でき、このことは古都台南の成功の第一歩となるのみならず、市民の生活水準の向上にも大きな利益をもたらすものだと述べています。
頼前院長は、台南市スマートシティが新たな歴史を刻むこの場に立ち会えたことを大変嬉しく思う、と挨拶しました。自身の市長在任中には単なる計画のひとつだったものが、今日黄市長のもとで総合的な協定という形で実を結んだのです。頼前院長は、杜奕瑾博士率いる台湾人工知能実験室の成功を祝福するとともに、台南市スマートシティの目標達成に大きな期待を寄せていると述べました。
台南市とAI Labsの計画は、行政院のAI発展政策「小国大戦略」の一環として進められているもので、台南市は市内エリアの公開と、市政への応用という形で科学部と南科管理局の計画推進に参与することになります。AI LabsのAI開発能力と成功大学航空宇宙工学科のドローン開発および製造能力、財団法人国家実験研究院国家高速網路與計算中心の高速演算メモリのカスタマイズなどを統合することで「ドローンAI空撮映像デジタルプラットフォーム」を完成させ、空中視野のスマートシティへの応用の可能性を広げてゆくのが目標です。
現在、台南市安平区は、すでにネット上ですべてのエリアのストリートビュー映像を見ることができ、AI技術を応用して建築物などの識別もできるようになっています。今後はAIを用いて映像からデータ分析や問題解決の支援を行うことも考えており、これによって台南市はAIによりデータガバナンスを実現する初のスマートシティとなることでしょう。