台南は「縁結びの神様」と知られる月下老人に対する信仰の発祥の地です。月下老人を祀る寺廟は台湾で最も多く、毎年旧暦の七夕の際には、良縁を求める人々がこうした寺廟に詣でて、月下老人に祈りをささげます。特に、台南の「4大月下老人」のひとつに数えられる台南祀典武廟の月下老人は海外でも人気が高く、参拝を目的にわざわざ台湾にやってくる信者もいます。
台南祀典武廟の関係者によりますと、日本人の田中氏は2019年より頻繁に当廟を訪れ、月下老人に祈りをささげてきました。コロナ禍の影響で参拝ができなくなると、今度は手紙を書いて祈願を続けるようになりました。田中氏からの航空便は2週間に1回ほどのペースで届き、廟の関係者がその手紙の内容を月下老人に報告し、日本語の返信と月下老人による加護を示す赤い糸と縁粉など代表的な縁結びのお守りを本人に送り返すということです。廟の関係者は田中氏の信仰心の深さに感銘を受け、「良縁に恵まれますように」と願っています。
黄偉哲台南市長は、台南祀典武廟が実施している外国人信者に対するサポートに謝意を示し、「台南はお寺が多く、神々の加護を受けた都市です。また、国際都市でもあります。今後、外国人の参拝について通訳や解説などの支援策を検討していきたいと思います」と、優良な宗教環境の形成に対する取り組みを継続する考えを示しました。コロナ収束後、外国人観光客には台南のお寺を是非訪れていただき、台湾の伝統的な信仰や文化を体験し、神様からの祝福を受けていただきたいと思います。