国慶節に合わせて台湾入りした日華議員懇談会（日華懇）の古屋圭司会長ら超党派の日本の国会議員団17人が８日、台南を訪れ、黄偉哲市長と昼食をともにしながら懇談したほか、台日間の友好交流の証となっている烏山頭ダム、八田與一記念園区、山上花園水道博物館を参観しました。
一行は、烏山頭ダムと八田與一園区を訪れ、八田與一の銅像を表敬したほか、当時の台南における八田技師の生活や仕事の状況について理解を深めました。その後、山上花園水道博物館を訪れ、小型の列車に乗ってエリア内を参観するとともに、浜野弥四郎の銅像を表敬しました。一行は、百年以上前に整備された上水道システムが現在もそのまま形で残されていることに驚きと喜びの表情を見せていました。
黄偉哲市長は懇談で「古屋圭司会長と日華懇の議員各氏の台南訪問は台南にとってこのうえない喜びである」と感謝の気持ちを表し、「八田與一や浜野弥四郎らが台南の建設に多くの功績を残し、民生と経済の発展に大きく貢献するなど、台南市と日本の間には歴史的なつながりと深い友情がある。現在に至っても、だれもがその貢献を忘れずにいる。こうしたことから、古屋会長らの一行がわざわざ時間を割いて台南を訪れたことは、日台の友好が長く続いていることを証明するものとして喜ばしい」と述べました。
さらに「台南は、台湾の文化的な古都、宗教の都、食の都であるとともに、最新の半導体サイエンスパークを有するテクノロジーの新都市でもある。官民ともに日本との間で非常に多くの交流を行っている」と説明しました。また、「来年の台南400では、台湾ランタンフェスティバルなど一連のイベントが開かれる。みなさまには台南をあらためて訪問していただき、台南400と台日友好をともに心に刻みたい」との意向を示しました。
古屋圭司会長は「黄市長の心のこもったもてなしに謝意を表明したい」と述べたうえで、「台湾と日本の間には深い信頼関係がある。この日の早朝、日本と台湾の協力で完成した台湾高鉄で台南に来ることができたことに感激した。台湾には50回以上訪れているものの、今回が初の台南訪問となった。今回、黄市長にお目に掛かり、また、八田與一技師が整備した灌漑システムがこんにちも使われ、台湾の重要な穀倉である嘉南平原を潤していることを実際に見ることができた」と述べました。
古屋会長はTSMCの熊本工場整備にも言及し、「TSMCを支援するため、日本政府も5000億円を拠出した。これは台湾と日本の密接な関係を示すものである。10月10日には50人を超える日本の国会議員訪問団が国慶節の行事に参加し、台日間の友好交流の証としたい」と述べました。
台南は台湾の重要な農産地域であり、パイナップル、マンゴー、コチョウランなど各種の農業生産物はいずれも日本の消費者に喜ばれています。黄偉哲市長はこの日、旬を迎えた紅ブンタンとブンタンのほか、パイン、スイカ、果肉の赤と白のドラゴンフルーツなどフレッシュで美味なフルーツを用意し、非常に喜ばれました。